第6回は、白根の中でも西白根エリアに詳しい高平智恵子さんに案内していただきます。12年ほど前にUターンして以来、大凧・秋祭りの時の余興などなど、地域の盛り上げ役としてなくてはならない存在の高平さん。
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ちょっと変わった高平さんの凧との関わりや、凧だけに留まらない西白根の魅力に迫ります。
①白根大凧合戦
西白根は凧合戦の西側で凧をあげる組がある地域で、特に私が暮らしているのは「中蝶組」というチームのエリア。中蝶は50世帯もないエリアなので、凧に協力するのが当たり前と言った感覚で団結力も強いです。
私自身は2018年から凧合戦の会場アナウンスを担当しています。公平に、と思っても、ついつい西白根の凧を贔屓して「中蝶がんばれ!かかったよー!」と言っちゃったり(笑)。今後の課題です。
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白根大凧合戦の仕組みは、第3回に登場された本間初美さんの記事(https://www.shironekankou.jp/shirone_blog1/)を参考にしてみてください。
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今回は、初めて見る方に伝えたい鑑賞ポイントと、ちょっとマニアックな「凧をあげるまで」の白根の様子をご紹介しますね。
見所はなんといっても、空を舞うと小さく見えるのに、地上に降りるとわかる本当の凧の大きさとのギャップ。1つ24畳もの大きさがあり、あんなに大きなものが目の前で飛んで、引っ張り合うって、ちょっと想像を超える経験だと思います。転勤で白根を離れた学校の先生がわざわざ揚げに来ている姿を見たことがあるくらい、ハマるものですよ。
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「子供凧合戦」といって南区のほとんどの小学校も凧を揚げていて、6畳サイズの子供たちの用の凧が20数個も揚る光景も見応えがあります。
会期中は、特に週末が関連イベントもあって賑わうのでより楽しめると思いますが、平日にゆっくり見る凧もいいし…是非毎日見に来て欲しいですね。
そんな5日間のために、地元の人たちは約1年もの時間をかけて準備をします。秋に綱の材料となる麻を取りに行き、冬の間に麻をみんなで柔らかく揉み解して一人の人が一本の綱に編み上げます。竹も自分たちで切りに行って、凧作りは2~3月ごろからスタート。6月の5日間のためだけにこれだけの時間を費やすんです。
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地元の人たちは本当に凧が好きだから、合戦の日が近づくとみんなそわそわ(笑)。おじいちゃんもおばあちゃんも風を気にしたり、私も無駄に迂回して会場の土手を通ったり。SNSで「いい天気だね #下風」とか見かけたことあります。凧合戦後も、しばらくは大人も子供も興奮が抜けません。
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②伝統芸能も!ダンスも!抽選会も!秋祭り
西白根は8月の第4土日に開催する秋祭りが盛大で、私が子供の頃は地元のお菓子屋さんが出店を出したり賑わっていました。今は先ほど紹介した「中蝶組」で作った有志会が、出店とステージ運営をやっています。ステージは地元の人たちのダンスや日舞、カラオケ大会、子供たちの踊りなどが披露されていて、私も盛り上げようと歌ったりしていたら、運営の有志会でもパフォーマンスをするようになりました。
白根は凧の他にも様々な文化があり、秋祭りの楽しみの一つでもあります。
最初に紹介したい団体が「味方穀倉太鼓」!和太鼓チームで大人も子供もとにかく一生懸命。凧合戦や秋祭りなど、近郊の行事に出演することが多いです。
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神社に奉納する「西白根神楽」は歴史があり、前回登場した吉田さんたちが伝承されている「吉田神楽」とは全く違い、こちらは獅子舞です。凧の組の一つ「謙信組」が受け継いでいる文化ですが、最近では組以外の子供たちも参加しています。
太鼓も神楽も、秋祭り以外に「芸能祭」「かぐらin笹川邸」などのイベントで鑑賞することができます。近年地域の伝統芸能に参加する子供たちが増えているなと感じています。地元のいいところをみんなで守っていう空気は嬉しいですね。
③西白根グルメ1:喫茶店「ギャラリー夢のくら」
中之口川沿いにある、開店15年目を迎える喫茶店兼ギャラリーです。農協の倉庫だった建物を改装して作られたお店で、立派な梁や柱は昔のまま、吹き抜けの開放的な空間が気持ちいいですね。ギャラリーでは地元の作家さんを中心に、月一回入れ替えのペースで展示会を行っています。
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訪れた際に是非チェックして欲しい西白根グルメが自家製の「笹団子」です。新潟各地に笹団子はありますが、ここの笹団子はあんこの代わりに、なんと塩漬けのマスが入っているんです!甘いものが苦手な人にと開発されたもので、草団子部分に塩が染みておいしいですよ。
団子を包む笹もオーナー夫妻とそのお友達が、下田に毎年1年分収穫しに行っていて、笹専用の冷凍庫で保存しているそうです。このお店から生まれた塩漬けマスの笹団子は、今や西白根を含む味方エリアの特産物になっています。
他にも香りが良くて酸味が少ないグアテマラの挽きたてのコーヒーや、今回はブラックベリーの実を摘んで作った季節限定ジュースなど、ドリンクもどれもオススメです。
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④西白根グルメ2:焼き鳥店「炭火串焼き はなどり」
2019年に20周年を迎えた、炭火で焼くすごく柔らかい焼き鳥と一品料理も絶品なお店です。私はレバーが苦手ですが、ここのレバーは最高においしくて食べられます。
ママの小島さんはおしゃべりが上手で気さくな美人。気がいいから、メニューにないものまでどんどん出してくれることも(笑)。そんなお店なので、根強いファンがカウンターを埋め尽くしていますが、初めて訪れる方も結構いるので気軽に尋ねてみてください。テイクアウトもOKです。
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夢のくらさんもはなどりさんも、秋祭りの抽選会に協賛してくださっているお店です。西白根の1番の魅力は、そんなノリのいい優しい人たちがたくさんいるところですね。
取材協力:高平智恵子
ライター:丸山智子
撮影:内藤雅子(Sunday Photo Studio)