新潟・白根仏壇
豪華で美しい蒔絵装飾
100年、200年と使い繋がれていく仏壇
100年、200年と使い繋がれていく仏壇
新潟・白根仏壇(しろねぶつだん)は新潟県の新潟市を中心に作られている仏壇です。木地(仏壇に使われる木材)には桧(ひのき)、欅(けやき)、桜、姫小松(ひめこまつ)、杉などが使用されます。
特徴
新潟・白根仏壇の特徴は、京仏壇の伝統的な技術や製法に独自の技術を取り入れ、蒔絵(まきえ)装飾を用いることにより優雅な作りが生み出されている点です。
宮殿作りの主な部分は「平枡型(ひらますぐみ)」と呼ばれ、組み立てや解体がしやすい独特の技法で行われます。修復をする時でも組み立てや解体がしやすく、細かい部分まで容易に補修が行えるため、100年や200年経っても良好な状態を保つことができます。
新潟・白根仏壇は5つの製造工程に分かれており、木地師・彫刻師・金具師・塗師・蒔絵師の「5職」と呼ばれるそれぞれの専門の職人が分業して行っています。本漆塗りの蒔絵と本金箔・本金彩を多用した優美な品格で、時間が経っても変色することがありません。
宮殿作りの主な部分は「平枡型(ひらますぐみ)」と呼ばれ、組み立てや解体がしやすい独特の技法で行われます。修復をする時でも組み立てや解体がしやすく、細かい部分まで容易に補修が行えるため、100年や200年経っても良好な状態を保つことができます。
新潟・白根仏壇は5つの製造工程に分かれており、木地師・彫刻師・金具師・塗師・蒔絵師の「5職」と呼ばれるそれぞれの専門の職人が分業して行っています。本漆塗りの蒔絵と本金箔・本金彩を多用した優美な品格で、時間が経っても変色することがありません。
特徴
新潟県は浄土真宗の始祖の親鸞(しんらん)や、日蓮宗の始祖の日蓮(にちれん)が流された地で、古くから仏教信仰が盛んな場所でした。また、度重なる信濃川の氾濫により多くの被害を受けた民衆には、仏教を心のより所とした信仰心が育まれていました。
1688年~1704年(江戸時代中期)に京都の伽藍師(がらんし)という寺院を建てる専門の宮大工の長井林右エ門が、新潟に仏壇の製造技術を伝えました。その後、京都の仏壇にさらに彫刻や装飾を施した仏壇が考案され、独特の「白根仏壇」が生み出されました。
江戸時代天明年間(18世紀後半)には5つの専門家の分業による生産体制が確立されたと言われています。長年水害と闘ってきた白根の人々に仏壇は信仰の対象として受け入れられ、また、良質な材料や高温多湿で漆の乾燥に最適な気候に恵まれたこともあり、300年以上に渡り仏壇の生産地として発展を続けています。
1688年~1704年(江戸時代中期)に京都の伽藍師(がらんし)という寺院を建てる専門の宮大工の長井林右エ門が、新潟に仏壇の製造技術を伝えました。その後、京都の仏壇にさらに彫刻や装飾を施した仏壇が考案され、独特の「白根仏壇」が生み出されました。
江戸時代天明年間(18世紀後半)には5つの専門家の分業による生産体制が確立されたと言われています。長年水害と闘ってきた白根の人々に仏壇は信仰の対象として受け入れられ、また、良質な材料や高温多湿で漆の乾燥に最適な気候に恵まれたこともあり、300年以上に渡り仏壇の生産地として発展を続けています。
制作工程
1.木地
仏壇の本体となる木地をつくります。主に檜(ひのき)、欅(けやき)などが使用され、完成してから狂いが出ないような良質の木材を厳選します。
材料の木材は1年以上乾燥させた後に、寸法ごとに切断をしていきます。必要な厚みに削り上げる「荒削り」、さらに削りあげる「中削り」、角などを取る「面どり」などが行われ、仏壇の枠組みを作っていきます。細部を細かい紙やすりなどで整える「仕上げ削り」などを経て、枠組みされた各部分を点検しながら手作業で組み立てていきます。
材料の木材は1年以上乾燥させた後に、寸法ごとに切断をしていきます。必要な厚みに削り上げる「荒削り」、さらに削りあげる「中削り」、角などを取る「面どり」などが行われ、仏壇の枠組みを作っていきます。細部を細かい紙やすりなどで整える「仕上げ削り」などを経て、枠組みされた各部分を点検しながら手作業で組み立てていきます。
部品
組立て
冠そり
冠そり
2.彫刻
人物や花鳥など、宗派の様式に沿った彫刻を施していく工程です。絵柄を材料に書き込み、数十種類のノミや小刀など手作業で彫り込みます。最初は荒削りでおおまかな形を作り、中彫り、仕上げ彫りと全体の形を整えていきます。彫刻の技法には、立体的に飾り部分を掘り出す「丸彫り」、板を数枚重ねて奥行きと立体感を表現する「重ね彫り」、材面より低く彫る「平彫り」などの技法があります。
後に塗や蒔絵で金箔を貼りつけるため、その部分は深く彫るなどの調整を行いながらの作業です。仏壇内部には多くの彫刻が彫られますが、その精密さにより見た目が大きく影響されます。
後に塗や蒔絵で金箔を貼りつけるため、その部分は深く彫るなどの調整を行いながらの作業です。仏壇内部には多くの彫刻が彫られますが、その精密さにより見た目が大きく影響されます。
丸彫り
平彫り
透かし彫り
3.金具
仏壇に取り付ける金具を作ります。白根仏壇には飾り金具が多く用いられるので、華麗で荘厳な雰囲気に仕上がります。
材料には銅や真鍮(しんちゅう)が良く使われ、金属を加工する工具の鏨(たがね)を使って様々な文様を彫っていきます。魚子(ななこ)鏨で打ち出す「魚子文様(ななこもんよう)」は新潟・白根仏壇ならではの特徴です。
彫りが完成すれば、材料の色の特製を活かしながら金メッキや緑青(ろくしょう)などで着色していきます。
材料には銅や真鍮(しんちゅう)が良く使われ、金属を加工する工具の鏨(たがね)を使って様々な文様を彫っていきます。魚子(ななこ)鏨で打ち出す「魚子文様(ななこもんよう)」は新潟・白根仏壇ならではの特徴です。
彫りが完成すれば、材料の色の特製を活かしながら金メッキや緑青(ろくしょう)などで着色していきます。
銅板
魚子(ななこ)タガネで打ち出す「魚子文様」が新潟・白根仏壇の特徴。
彫りができたら金メッキや緑青(ろくしょう)などで彩色を施す。
4.塗(ぬり)
木地に漆を塗る工程です。漆を塗る前には木地の上に下地と言われる塗装を行います。下地を塗っては乾燥させる工程を繰り返して表面を滑らかにしていきますが、下地は仕上がりの出来に大きな影響を与えます。下地が完成すれば、漆を塗って乾燥させた後に表面を砥ぐ作業も数回繰り返し(中塗り、上塗り)、表面に艶を出していきます。最低3ヶ月は繰り返される手間がかかる作業ですが、刷毛による丁寧な手仕事により深い味わいが現れます。
金箔塗り後金箔の他、金粉で仕上れば、落ち着いた輝きとなる。
5.蒔絵(まきえ)
塗の上に細い筆で花や鳥などの絵模様を、漆を使って描いていき、その上に青貝やあわびの薄片や金粉・銀粉を蒔いて華麗に仕上げます。蒔く頃合いは漆の乾き具合などを職人の経験や勘で見極めています。
伝統的な蒔絵の技法としては「磨き蒔絵(みがきまきえ)」「高蒔絵(たかまきえ)」「平蒔絵(ひらまきえ)」などがありますが、漆を何度も塗って盛り上げて立体的にする「高蒔絵」は荘厳な雰囲気が醸し出されます。
伝統的な蒔絵の技法としては「磨き蒔絵(みがきまきえ)」「高蒔絵(たかまきえ)」「平蒔絵(ひらまきえ)」などがありますが、漆を何度も塗って盛り上げて立体的にする「高蒔絵」は荘厳な雰囲気が醸し出されます。
筋蒔絵
金蒔絵
6.金箔押し
金箔を貼る部分の大きさに合わせて切り、箔押し漆を塗って一枚ずつ丁寧に金箔を貼っていきます。貼りつけた後には艶出し、艶消しなどの技法で華やかに仕上げます。極薄の金箔のつなぎ目を合わせて貼っていく作業には熟練の技が必要です。
【新潟・白根仏壇】匠の手
産地組合
白根佛壇協同組合 | |
住所 | 〒950-1217 新潟県新潟市南区白根1240-3 白根商工会内 |
TEL | 025-373-4181 |
FAX | 025-373-4199 |
新潟仏壇組合 | |
住所 | 〒950-0324 新潟県新潟市江南区酒屋町547-3 友坂佛壇店内 |
TEL | 025-280-2236 |
FAX | 025-280-2236 |